斉藤寅 / 世田谷一家殺人事件ー侵入者たちの告白

購入場所:ブックオフ荻窪

2000年12月30日に発生した世田谷一家殺人事件。法改正により本件の時効は廃止されたものの、迷宮入りは逃れられそうもないこのヤマ(現在懸賞金1,000万円)に、何とジャーナリスト側から「犯人特定!」をセンショーナルにアピールしまくった2006年発表本。警察組織の動脈硬化っぷりを痛烈に批判しつつ、作者自らが現場警察から闇社会の重要人物まで、まさに「体を張った」(ここら辺の武勇伝もウザいくらい描写)突撃取材にて犯人を割り出した勇猛果敢にもホドがある一冊。何せ取材途中には事件のホンボシである「アジア系クリミナル組織」とカーチェイスを繰り広げたり、重要証人となるハズだった人物が溺死体(!!!)となって発見されたりと、このまんま土曜ワイド劇場でドラマ化してもイケるドラマチック具合。で、本書では実行犯は「ソウル在住の韓国人H」と断言してる訳なんだけど、驚くべきことにこの見解に、本書発売2週刊後に警視庁が「今後の捜査に悪影響を及ぼす」と猛烈クレームを世間に発表。こんなのトンデモ本って無視してりゃいいじゃん・・・のハズが、余計な国家権力の圧力誇示のせいで「ひょっとして当たってるトコあるのかも?」と俺なんかは逆に勘ぐってしまうじゃん。まあ信憑性はともかく、読み物としては手ごたえありますよ。でもここまで犯人特定しといて、その後作者の活動がなしのつぶてって誠意なさすぎ・・・。よって現在販売価格はやっぱ百円。ところが、本書の波紋は思わぬところで爆発していた(続く)