ロベルタ・フィンドレイ / 虐殺遊戯 地獄のサバイバル


購入場所:阿佐ヶ谷の露天

あの変態エクスプロイテーション映画「スナッフ」を(当時の)ダンナ、マイケル・フィンドレイと共に制作したロベルタ・フィンドレイによる85年映画。NYブロンクスの貧民アパートに、北斗の拳チックなツッパリ軍団が不法占拠。一旦は警察の力を借りて追い出すものの、現地の警察は職務怠慢はなはだしくあっと言う間にツッパリたちを自由の身に。当然ムカついたツッパリ軍団は怒りの矛先をアパートの貧乏住人たちに向け、クスリをばっちりキメながら一人、また一人と血祭りにあげていく。追いつめられた住人たちは・・・。まあ、ストーリーにヒネりはありません。「スナッフ」と比較すると、あまりにもまっとうなC級映画っぷりに拍子抜けかも。しかもフィンドレイ映画なのにエロはほとんどなし。貧乏なくせに上昇志向が強い黒人ママがアソコに棒を突っ込まれて殺される以外は、残虐と呼べるシーンも皆無。こころある映画ファンが観たら確かに退屈なだけの内容だろう。しかし、このダルい内容にも関わらず、全体を通して漂うアシッドな空気は何なのか。とにかく人としての根本的な部分でのチューニングが狂ってるとしか表現できないサムシングが全編貫かれているのは間違いない。デス・コメット・クルーを彷彿とさせるチンピラ・ヒップホップも最高。最終的には凶暴凶悪だけどマヌケなツッパリたちの悲惨な運命に涙すら流れる。まさにアシッド・パンク・ムービーの隠れすぎた逸品。DVD化の話もなく、2千円くらいの価値はあるのでは?