THE LOOP ORCHESTRA / NOT OVERTLY ORCHESTRAL

購入場所:ディスクユニオン新宿本館

過去のオリジナルLPが高価で取引されてるからといって、そのアーティストの新作がバカスカ売れるかといえばさにあらず。そもそもそのオリジナルだって、当時売れてたら中古市場で高価になる訳もなく、そこらへん読み間違えて痛い目にあうバイヤーは多い・・・って昔の俺じゃん!で、そんなマイノリティ向けアイテムの売れ残り在庫のやっかい度数はハンパなく、会社の決算前などは、映画「鬼畜」で実の息子に毒入りジャムパンを無理やり食わせる緒方拳の気分で特価コーナー処分をかけるモン。あぁ、思い出しただけで気分が滅入る。だがそんなCD墓場でせっせと墓掘り作業に勤しむ輩は昔からいやがって、バイヤー時代は「このハイエナがぁ!!」と輩共にKILLな眼差しをたれてた自分、しかし今やミイラ取りがミイラに。自らが百円王(ヒャッキング)道という名の外道を歩もうとはまさに皮肉!!で、話はループ・オーケストラ。このブツも百円特価CD墓場で自縛霊よろしくたたずんでいたヤツを発掘。オーストラリアにて1982年から活動を続けるアヴァンギャルド・グループで、現在も地道に活動継続中、なのに本作は2004年リリース作にして3rdというマイペースっぷり。グループ名まんま、複数のオープン・リールのテープのみを演奏に使用。ひたすらテープをループさせたり、即興でテープをチョキチョキ切り張りしたりと、サンプラー使えばいいんじゃね?な作業をあくまでアナログにこだる意固地さが素晴らしい。初期ナース・ウィズ・ウーンドのコラージュ作品を、ミニマル&地味にしたような心地よさ。彼らの限定500枚でリリースされた1stなど未だ5千円以上で取引されてることを考えても、中古販売価格1600円はイケルはず。もう本CDも廃盤だしね。